ブルース 歌詞とコード進行の関係
こんばんは。
ブルースというジャンルは奥深さがある分、ノイズが多いとか渋すぎるとかで理解しづらい音楽ジャンルでもあります。今回はそんなブルースが理解しやすくなるように、歌詞とコード進行の関係について解説していきます。
①ブルースの基本のコード進行
一般的に、コードの種類が増えるとより”都会的”になるとされています。そのため、J-POPでは5種類以上コードが登場することが多々あります。いっぽうブルースで使われるコードは3種類であることが多いです。例えばこんな感じ↓↓
/ I / IV / I / I /
/ IV / IV / I / I /
/ V / IV / I / I or V /
例:①C→F→C→C→F→F→C→C→G→F→C→G
②Em→Am→Em→Em→Am→Am→Em→Em→Bm→Am→Em→Em
コードの話が出てきて「今回は何か気難しい記事だぞ」と思われるかもしれませんが、ここではIVで「ん?何か様子が違うぞ?」という印象を与え、Vで「クライマックス!」といった役割がある、ということが分かれば大丈夫です。
例外:①They Call It Stormy Monday
G9→G9→C9→G9→C9→C9→C9→G9
I I IV I IV IV IV I
コードは2種類ですが、9thの音が入ったコードを多用しています。また、この 後にはオーギュメンテッド(aug)のコードも登場し、セッションするのはやや難 しくなっています。
②Hoochie Coochie Man
A→A→A→A→A→A→A→A
I I I I I I I I
→D →A →E →D →A → A
Ⅳ Ⅰ Ⅴ Ⅳ Ⅰ Ⅰ
1コーラスがやや長め。前半にコードチェンジがないのは、曲を聴けば容易に
想像できるはずです。
②歌詞とコードを照らし合わせると
では、先ほど紹介したコード進行が歌詞にどうはたらいているのか、実際に照らし合わせて見ていきましょう。3つ紹介します。
<見方>
/←これで1小節ずつ区切る
/ / ←間奏(/の間に歌詞が記入されていない場合)
1.Sweet Home Chicago
E(Ⅰ) A(Ⅳ) E(Ⅰ)
/Oh, /baby don't you want to /go / /←①
A(Ⅳ) E(Ⅰ)
/Oh, /baby don't you want to /go / To my/←②
B(Ⅴ) A(Ⅳ) E(Ⅰ) B(Ⅳ)
/land to California, To my/ sweet home Chicago/ / /
Eからスタートする基本のブルースのコード進行ですね。
①、②で同じ歌詞が繰り返されますが、②だと少し違った印象を受けるのは②でA(Ⅳ)にコードチェンジしているためです。
キメ台詞の"To my sweet home Chicago"では、B(クライマックス)→Aというコード進行を当てています。これにより、「Chicago~🎵」のところで落ち着くような印象をもたせます。その後の間奏にEコードにチェンジし、すっきりと1コーラスを終わらせると思いきや、最後のBコードで盛り上げて次のコーラスにつなげる、こうして1コーラスを締めくくります。
2.Hoochie Coochie Man
A(Ⅰ)
/The gypsy woman told my mother,/before I was born/
/You got a boy child comin'/he's gonna be a son of a gun/
/Gonna make pretty woman/ jump and shout/
/Then the world want to know/ what is all about. But you know I'm here,/
D(Ⅳ) A(Ⅰ)
/ / every/body knows I'm here/ Well you know the/↖
E(Ⅴ) A(Ⅰ) A(Ⅰ) ③
/hoochie coochie man,/ Every/body knows I'm here/ / ↙
先ほども解説した通り、前半はコードチェンジなし。「てーれーれーれーれ」というリフ(?)に合わせてマディが言葉を吐き出している、といった感じになっているところです(曲を聴けば何のことかわかると思います)。この曲のカッコいいところですね。
前半で怪しい雰囲気を出してからの「俺はここにいるぜ!!」という事を言っているサビの(ような)ところ(③)ではD、E、にコードチェンジしています。クライマックスで使われるEコード(Ⅴ)はちょうど曲のタイトルの"hoochie coochie man"という言葉が登場したときに当てられています。だから盛り上がるのですね。
3.Mary Had A Little Lamb
※矢印で囲まれたところが「1コーラス」
A(Ⅳ) E(Ⅰ)
/ /Mary had a little lamb/ ←④
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
A(Ⅳ) E(Ⅰ)
/ It's fleece was white as snow /yeah /
E(Ⅰ) B(Ⅴ)
/ Everywhere the child went/ The lamb/
↑⑤
A(Ⅳ) E(Ⅰ)
/was sure to go/ /
Ⅳから始まる特殊な例です。このコード進行により、この曲をブルースで演奏すると、世界的に有名な童謡に怪しい雰囲気を持たせることができます。④で突然歌詞が入ったところでドキッとしますね。⑤でBにコードチェンジした直後に歌詞を入れないことで、コード感が出ます。
最後に
いかがでしたか。この記事でブルースが少しでもわかりやすくなったらいいなあと思います。コード3つでここまで奥深い世界が表現できるのがブルースです。すご
ではまた。今回一番大変だった